ようやく張古山へたどり着きました。形はきれいな三角錐です。けれども思ったよりも小ぶりで、山というよりも、むしろ日本でよく見る鎮守の森というような感じです。
しかし、この広い中国大陸で、よくこんな小さな山を見つけたもんだと我ながら感心します。もちろん、ここに来るまでいろんな人々に助けてもらったのですが、それとは別に何かに招かれるようにして、ここまで来たような気もします。

中国式ではありますが、線香とお酒を供え、紙のお金を燃やして、ここで亡くなった方々を弔いました。
実はこの時、不思議なことが起こります。案内してくれた村人に言われて気づいたのですが、線香の煙が風の流れる向きとは正反対の方向に流れていたのです。村人曰く、煙は亡くなった人が居る方向に流れていくのだそうです。

お参りを終え、張古山を後にしました。現在の張古山村は七十年前に激戦が繰り広げられ、両軍の死体がこの周辺を覆っていたなど想像し難いほど平和な村です。
村人の話によると、この辺りでは今でも夜になると、火の玉(鬼火)を見るそうです。

つづく